自殺や殺人など事件があった競売物件について

今回は、すこーし、重いテーマです。

タイトルの内容について知りうる範囲で書いてみたいと思います。

競売物件に限らないのですが、不動産にはいわゆる事故物件というのがあります。

代表的なのは、自殺や他殺、事故死などの事実があった物件、ですね。

例えば、中古物件が相場より異常に安かったので、内覧に行くと理想通りで申し分ない物件だった。

「なんでこんなに安いの?」

と案内してくれた不動産会社の営業マンに聞くと

「実は、、、」

と過去に事件があったことを話しづらそうに告げられます。

こんな場合には、案内する前に言えよ!と言いたくなりますね。

一般の賃貸や売買などの物件の場合、宅建業法の重要事項説明として告知義務があります。

ですので、健全な不動産会社であれば知ってて黙ってる、という違法なことはしないです。

ただ、微妙なケースもあるかと思います。

例えば、物件の敷地内ではなく、例えばマンションの共有部分で事件があったとか、高齢の方が孤独死して発見が遅れた場合など、、、

競売物件の場合は、どうなんでしょうか。

裁判所が相手なので、宅建業法が適用されません。

通常、現況調査した執行官が事故を知った場合、三点セットに記載するんだと思います。

ちょこっと、判例を調べてみました。

http://www.retio.jp/cgi-bin/example_display.cgi?number=88
福岡地裁判決 平成17年9月13日

<要旨>
「 競落したマンションがいわゆる自殺物件であったが、執行官および評価人に調査義務違反があったとはいえないとされた事例」

<まとめ>
「本件は競売物件における、執行官及び評価人の調査義務違反が争われた事例であり、不動産の調査の過程で、元所有者が自殺したことを窺わせる具体的な情報等に接することがなかった場合には、管理人あるいは近隣住民から事情を聴取すべき義務があったとはいえないと判断し、執行官および評価人の調査義務違反を否定したものである。」

ということです。
執行官が普通に調査して、知り得なかった事故については義務違反はないということですね。こういう物件を落とすことも、可能性としてはありますので、入札する場合には近隣の方への調査などもしておきたいです。

http://www.retio.jp/cgi-bin/example_display.cgi?number=87
札幌地裁決定 平成10年8月27日

<要旨>
 競落許可決定後、競売の対象となった居宅でその所有者の夫が1年前に自殺していたことが判明し、民事執行法75条1項が類推適用され、売却許可決定を取消せるとされた事例

<まとめ>
「競売物件で自殺が最低価額決定等の手続に反映されていないときは、売却許可決定前であれば、売却不許可の申出により、売却不許可決定がなされる(民事執行法71条5号、福岡地判平成2年10月2日 判例タイムズ737号239頁)。売却許可決定後、代金納付前であれば、本件決定のように75条1項を類推適用することになる。代金納付後については、民事執行法53条にいう「不動産の滅失」に比肩すべき重大な事由があるということはできないとして、売却許可決定取消しの申立てを却下したものがある(東京高判平成8年8月7日金融法務事情1484号78頁)。」

これは、落札後、代金納付前であったから取消ができた例です。
民事執行法75条に基づいてます。
これが代金納付後であれば事情が変わり上記の条文が適用されません。
ということは、代金納付前に物件を調べておいたほうが良さそうです。

ただ、事故物件であっても売れない、貸せないということもないです。
価格を下げれば需要はあると思います。

私が知っているケースでは、
家族間で殺人2名および自殺1名があった極めて激しい事故物件がありました。

通常、相場通りですと、3000万円ほどの中古戸建てなのですが、上記理由から1600万円ほどに下げて売ってました。

が、売り出してから数ヵ月で、すんなり売れました。

買った方は、商売されている方で、占い師に見てもらったところ、その物件を買いなさい、と言われたそうです。。。

中には気にされない方もいらっしゃいますし、宗教関係の職業の方などが買われたりするケースもあるようです。
やはり、売れない物件はない、ということでしょうか。

 


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